天使のはしご 3月町だより

"March comes in like a lion and goes out like a lamb."

「なぜあの母親は助けを求めなかったのか」という質問へのある識者の意見

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(画像はPinterestより)

 

信田さよ子氏の2019.2.13ツイートから

 

『一般の人たちの疑問は「なぜあの母親は助けを求めなかったのか」というものだ。DVについても「どうして夫から逃げないの?」と素朴な疑問をぶつけられる。被害者は無力化されているという説明が定番だけど、そもそも外の世界などないしすべて自分が悪いのだから何とか夫に許してもらわなければと思う→

 

→のが精一杯だ。それは夫の考えそのものだ。「君にはここ以外に生きる場所なんかない正しいことを言う僕を怒らせたのは君なんだ」。DVは怒りの発散が目的ではなく、このような考えに妻を染め上げて自分の視線一つで妻を震え上がらせるほどの支配を貫徹することなのだ。同じ構造は日本に溢れている。

 

DV被害者のグループカウンセリングを実施して何より印象的だったのは彼女たちの深い恐怖だった。それを自覚するのは屈辱的と思うので明るくエネルギッシュにふるまうし必要以上に論理的に説明しようとすることが、周囲の誤解を招く。あれじゃ夫が怒るのも当たり前だし意外と元気そうじゃないかと。→

 

被虐待児もそうだがDV被害女性も一見明るくてそのほとんどが自己主張的だ。夫からいつも「根拠を示せ」とか「自分が正しいと思うならちゃんと説明しろ」とか言われるので日常生活が法廷みたいになっている。その論理性が警察や時に支援者には生意気・理屈っぽいという誤解を招く。』

 

こちらに対しさまざまな意見も寄せられていました。

(わたし自身も、自己主張的だとはあまり自分を思えませんが、たしかに明るくしていた気はします。)

以下はツイッターに寄せられた意見。

 

「DV の構造を知る非常に有効な連投ツイ。

特に、2連投目と4連投目、深く納得できる人多いと思う。

で…興味深いのはここ。

>同じ構造は日本に溢れている。

DV関係なく読んでも、自分の周囲でどこかで見た風名だな、と思い当たってしまうこと。つまり、日常の平凡な中に溶け込んでいるということ。」

 

 

「私もDV被害者です。夫が子供に手をあげるまでは、本当に自分の世界は夫だけでした。一見元気にふるまってしまうのもよく分かります。

マインドコントロールの怖さ。」

 

「だけどDVを受けていると周りが気が付いてくれてなければ誰も助けてくれません

私の場合、元夫は私の母と弟を洗脳していて私は病気で寝込んでいる事になっていたし、息子を保育園に連れていく時も良い父を演じていて、私さえがんじがらめに自分だけの物として監禁していれば満足だったようです

元夫の目を盗み、やっとの思いで外に出れたのは監禁されてから半年後でしたが、まず裏の実家に助けを求め駆け込んだものの実母(毒親)にも弟にも変人扱いされ家に入れてもらえず…。着の身着のまま、ご近所に救急車を呼んでもらった所から本格的に戦ってきました

DV加害者の多重人格を知って欲しいです」

 

「監禁…想像もできない辛さですよね。私は監禁はされておらずネットが使える状況だったのでインターネットで知り合った友達に✉️でブログで知恵を貸してもらいました。

同じく親も子供達も洗脳されていて脊椎損傷の怪我を負わされた後、一人で脱出しました。

周りの人は全て夫の外見に騙されていました」

 

「足枷なんて本当は無いのに、あると思って(洗脳されて)動けない。だから自責、服従、助けも求めない。」

 

「女性に家事育児負担が偏っていることが当たり前になっている風潮と頑なな男性社会が歪んだ形で出てますね!」

 

「>そのほとんどが自己主張的だ。

知りませんでした。

私はパートナーに理詰めで責めた経験はありませんでした。むしろ私は、逆に理詰めで責められた(と被害的に思考していた)から、DVに発展していってしまいました。ケース毎に違いがあると思うので過度な一般化は本質が見えにくくなりますね。」こちらは元加害者のかた

 

「思い当たってしまうこと。つまり、日常の平凡な中に溶け込んでいるということ。」

 

全国女性シェルターネットの声明は以下

 

「千葉県野田市のDV・虐待事件についての声明

         2019年2月13日

NPO法人 全国女性シェルターネット


全国女性シェルターネットは、1998年、サポートシェルター等の運営を活動の柱とするDV被害当事者の支援に関わる民間団体の全国ネットワークとして設立されました。
現在67団体がネットワークをつないでいます。
団体設立当初より、年1回の全国シンポジウムを開催し、「配偶者からの暴力の防止および被害者の保護等に関する法律」の制定および3次にわたる法改正と関連諸法の運用改善に取り組んでまいりました。
 女性と子どもに対するあらゆる暴力の根絶を目指す立場から、千葉県野田市の少女が虐待死させられた事件について、以下の通り表明いたします。

一、この事件は典型的なDV犯罪です。
  DVという暴力支配のある家庭では、直接・間接を問わず、家族の構成員すべてが暴力支配にさらされます。
とくに、子どもの被害影響には深刻なものがあります。
「DV家庭には虐待あり、虐待の陰にはDVあり」。
DVと虐待をひとつながりのものととらえ、女性と子どもを連動して守る支援システムが必要です。

一、DV被害の渦中にある当事者が、どのような心身の状況にあるかを理解する必要があります。
  DV被害は、別居や離婚など、支配の関係が変化するときに、最も過酷で危険な状況になることが知られています。
容疑者と妻は、一度離婚した後、再婚しています。以前にも増して、DV支配が過酷になっていたことが容易に推察されます。
DV加害者は、妻が最も大切にする子どもを痛めつけることで、支配と拘束を強めていきます。こうして、妻は子どもの虐待を止めるどころか、加害者の手足となって子どもを監視せざるを 得ない状況におかれるのです。
母親なのだから命に代えても子どもを守るべきだという神話は通用しません。

暴力支配下にある母親が子どもを守ることは至難の業なのです。

一、糸満市野田市の関係機関は、DV虐待事案としての緊急対応を含む連携をとるべきでした。
  糸満市野田市双方の関係機関、学校、教育委員会児童相談所、警察、市役所、医療機関等は、DV被害に気がついていたにも関わらず、それぞれの立場からばらばらの対応をしたことによって、母親と子ども双方の支援を実現することができませんでした。
連携の欠如が、子どもの命を奪ったのです。これらの機関が、必死に助けを求める子どもや女性の声を封じてしまいました。
その責任は重大です。
暴力の現場から、まず、被害当事者を安全な場所に保護することが何をさておいても命を守るための優先課題です。
親族からの訴えがあったとき、糸満市はDV被害者としての母親に対して、迅速に支援を開始すべきでした。
同時に、子どもたちの安全を確保すべきだったのです。
国は、DV虐待事案への連携対応マニュアルを作成し、周知・徹底するとともに、継続的な職員研修を実施する義務があります。

一、少女の母親は、まず、保護されるべきDV被害当事者であり、決して逮捕されるべき容疑者などではありません。
加害者による全人格的な支配の下で服従するしかなかった被害者が、一方的に批難されることがあってはなりません。

一、私たちは、今こそ国が、DV・虐待の根絶に向けて、DVと虐待を一体のものとして対応する支援システムの整備と、DV防止法の改正を含む抜本的な制度改善への着手を強く求めます。」

 

信田さよ子
1946年生まれ。臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。アディクション全般、アルコール依存症摂食障害ドメスティック・バイオレンス(DV)、子どもの虐待などに悩む本人やその家族へのカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』『さよなら、お母さん』『家族のゆくえは金しだい』(いずれも春秋社)、『コミュニケーション断念のすすめ』(亜紀書房)、『傷つく人、傷つける人』(ホーム社)、『家族収容所』(河出文庫)、『家族の悩みにおこたえしましょう』『共依存 苦しいけれど、離れられない』『母・娘・祖母が共存するために』(朝日新聞出版)、『父親再生』(NTT出版)、『カウンセラーは何を見ているか』(医学書院)、『依存症臨床論』(青土社)、『アディクション臨床入門』(金剛出版)など著書多数。
原宿カウンセリングセンター http://www.hcc-web.co.jp/

 

 

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